一旅42。風変わりな道しるべ。

息子の住むSFで、なんとも愉快な道標に出くわした。

息子の家は小高い丘にある。
その丘を下りルート1を横切った50m先に、私のSF滞在中の散歩道がある。

その道沿いからは太平洋が望め、季節によっては、その沖合に3、4頭の鯨が姿を見せる。また、その崖下の砂浜には、数十匹のアシカが常に甲羅干しをしている。

都心に住む私にとっては、なんとも心躍らせる散歩道である。

その散歩道で見つけた道標、実に傑作である
道標は、通常、行き先に戸惑いそうな路の辻に立てられているのだが、この道標、そうした常識から外れ思わず唸るほどに、拙作である。

“喉がお渇きでは。そろそろ、ワインかビールは如何?”
“おっと、ご注意。この先は霧に巻かれる心配あります。”
“あちらは人気のスポットですが、常に渋滞気味です。”

といった具合である。

道標の役割を遥かに越え、散歩人の腹具合、喉の渇き具合、先の散歩道混雑ぶり、霧情報をも教えてくれているのである。

私は、これ幸いと、散歩は早々に切り上げ”Moss Beach Distillery Restaurant”で地元人に混じってビールで喉の渇きを潤した。

その一方で、日本の道標は旅人の安寧を見守る地蔵さん。
行き先は、各々の心のおもむくままとお節介しない。

さて、皆さんはどちらの道標がお好みですか。

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