一言46。ところ構わず寝込む。

相方の買い物に待ちくたびれたのか、連れ合いがスーパーの出口で寝込んでいた。

西洋では公共の場での居眠りは御法度、ドバイでは電車での居眠りに罰金が課されると言う。
税収不足が常態化している我が国に、大きな税収源が残されていたようである。

日本では公共の場での居眠り姿を至る所で見かけ、その典型が電車での居眠りである。


心地よいリズムの走行音に誘われか、多くの人が寝込む。
冬ともなれば座席が暖められ、お尻から這い上がってくる心地よい温もりで、ほぼ全員がコックリである。

だが、我ら老いたるものは、断じて、寝込むわけにはいかない。この抗し難い気持ち良い眠気に身にゆだねることが、叶わないのである。

万が一にも寝こんだりすれば、乗り合わせた人を巻き込んでの大騒ぎとなること、必死である。

 “居眠り?確かか!”まさか?!”
 “認知症では?”

と疑われ、乗務員が飛んで来るやで、電車が発車できずに大騒ぎになる。

老いたるものは十分な睡眠を摂り体調の良い日以外は、電車の利用は控えるべきである。

電車を利用せざる得ない場合も、万が一にも席を譲られても丁寧に辞退し、決して、座るなどの危険を避ける。

とは言え、もう一度、木枯らしの吹く厳寒の日に山手線に乗り込み、座席から這い上がってくるあの温もりに身を委ね寝込み、山手線を一周したいものである。

だが、家族の賛同など叶う筈も無い。

精々、家人が出払った家で、ソファで横になり本を読んだりTVを見たりしながら、ふっーと寝込む。

これが無難なようである。

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